金魚

小さい頃から家に猫がいるから、縁日などで見かける金魚掬いをやったことがない。

小学校低学年の頃、同級生の女の子が縁日で掬った金魚を家で6年ほど育てた個体を飼っていた。それを何故か学校で飼育すると言い出した。小学生の手よりも大きくなったその金魚は、もはや縁日で見かけるひらひらした小さいあれから連想できるものではなかった。そしてその金魚的な何かは割とすぐ死んだ。うさぎやニワトリの小屋の近くに死体を埋めた。女の子は悲しんでいたように記憶している。子供ながらに、学校に連れてこなければもう少し長生きするような気がしていた。小学校低学年の頃の記憶なんて曖昧だとは思うけど。