高校の先輩と頭の中を少しシェアして、少し楽になった。
結局、歌より夢中になれるものなんてなくて、歌より大事にしなきゃいけないものが多すぎる時に具合が悪くなる。一番大事なことは歌を楽しく歌えることで、生活することとかよりはるかに優先されるのだと話していてわかった。
ずっと、生きている実感というかここにいる実感がなかった。例えば今どこにいて私は誰で……みたいなものなのだが、そういう類の感覚がかなり薄かった。でも話してから少し、少しだけではあるが実感が戻ってきたような気がする。
誰かと話すことで回復するような気はしていたが、それが高校の先輩だったのだな。もう少し取り戻したい。